マグロは、分類学上はスズキ目サバ科のマグロ属の魚で広い海域を泳ぐ回遊魚で、一般的に「マグロ」と呼ぶと、クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガを指している。それぞれの特徴などは以下の通り。
◇クロマグロ(bluefin tuna)
本マグロとも呼ばれる。北半球に分布し、太平洋を回遊する太平洋クロマグロ(Pacific bluefin tuna)、大西洋・地中海を回遊する大西洋クロマグロ(Northern bluefin tuna)に分かれ、それぞれは別種とされている。全長は3m、重さ400kgに達する。日本では高級なすしねた、刺し身に利用される。
◇ミナミマグロ(southern bluefin tuna)
インドマグロとも呼ばれる。南半球の温帯域に分布し、クロマグロより小さい。全長は2m、重さ200kg程度。日本ではクロマグロと並ぶ高級マグロとしてあつかわれている。
◇メバチマグロ(bigeye tuna)
バチマグロとも呼ばれる。英語名の通り、目が大きいことからこの名前がついた。世界の温帯から熱帯海域に分布している。全長は2m、重さ150kg程度。日本では刺し身に利用されている。
◇キハダマグロ(yellowfin tuna)
キワダとも呼ばれる。黄色い体色からこの名前がついた。また、成魚になると第2背びれとしりびれが長く伸びた姿が特徴的。メバチマグロと同じく、世界の温帯から熱帯海域に分布するが、メバチが中層付近にいるのに対し、表層付近を回遊している。全長は1.5m、重さは100kg程度。日本では刺し身に利用されるほか、缶詰にも使われる。
◇ビンナガマグロ(albacore)
ビンチョウマグロ、トンボとも呼ばれる。胸びれが長く、ビンナガ、トンボも、その姿に由来する。世界の温帯海域に分布している。マグロの中では最も小型で、全長1m、重さ30kg程度。肉に赤身が少なく、油漬け缶詰などに使われる。最近は脂ののった部位が「ビントロ」としてすしねたとして利用されるようになった。