2008年10月10日、ワシントンにおけるG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)で採択された行動計画。通常、G7では経済への現状認識を示す共同声明が出されるが、広がる世界同時株安と欧米金融機関の信用不安を背景に、金融危機への対応策のみをまとめた行動計画が採択されるという、異例の事態となった。計画は、「現下の状況は緊急で例外的行動を必要としている」との現状認識を示した上で、各国が協調し、全力を挙げて金融危機を克服する姿勢を表明、以下の5項目の実行を明記した。(1)金融システム上重要な金融機関を支援し、破綻を避けるためにあらゆる手段を活用する。(2)信用市場と短期金融市場の機能回復と、金融機関の流動性と資金調達の確保のため、銀行間取引の政府保証など、すべての必要な手段を講じる。(3)必要に応じて、金融機関への公的資金、民間資金による十分な量の資本増強ができるようにする。(4)各国それぞれの預金保険・保証プログラムが頑健で一貫していることを確保する。(5)証券化商品の流通市場再開のための行動をとる。また、資産の正確な評価と透明性の高い開示が必要である。さらに、5項目に加えて、財政や金融政策などのマクロ経済政策上の手段を活用して、金融危機が実体経済に波及し景気が悪化するのを防止する用意があることも強調された。