電力需要に対して供給が不足し、突然に大規模停電が発生することを避けるため、前もって地域や時間帯を決めて順番に停電すること。東京電力は、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で発電所の停止が相次ぎ、供給能力が需要を大きく下回ることになったことから、3月14日以降、管内の東京都、栃木、茨城、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、静岡の9都県の契約者を5グループに分割し、グループごとに時間帯を割り当てて停電することを決定し、政府の了承を得た。その後、茨城県は対象から外されて8都県となっている。一地域の停電時間は約3時間で、時間帯は午前6時20分~午前10時、午前9時20分~午後1時、午後0時20分~4時、午後3時20分~午後7時、午後6時20分~午後10時。1つのグループが1日2回にわたり停電の対象になることもあれば、気温や節電などが関係した想定需要に応じて実施されないこともある。国内の計画停電は第二次世界大戦後の混乱期以来初で、対象地域への周知なども遅れ、首都圏の鉄道網をはじめ、事業所や工場の業務、また一般家庭においても大きな混乱をきたしている。当日の電力需要の状況によって、グループ内でも停電しない地域があり、企業や一般家庭の住民からも、「わかりにくい」「予定が立たない」などの不満が多く寄せられたことから、3月25日に従来の5グループをさらにそれぞれA~Eまでの5グループに細分化して、どの区域が実際に停電となるか明確にすると発表、28日から実施されている。計画停電は4月末まで実施の見通しだが、電力需要が急増する夏場にも実施される可能性があるなど予断を許さない。地域や実施日時の情報は、東電がHPに掲載するほか、電話での問い合わせ先もある。東北電力も3月16日からの計画停電を発表したが、3月30日現在まで実施は見送られている。