タクシーの新規参入や増車は、2002年の規制緩和で原則自由化された。ただし、「著しい供給過剰のため輸送の安全や旅客の利便を確保することが困難となるおそれがある」と判断される地域は例外で、事前審査が行われる。供給過剰の兆候のある地域は「特別監視地域」に指定され、問題がある場合は新規参入や増車が禁止される。特別監視地域のうち、運転者の労働条件の悪化を招く懸念が特に大きな地域は「特定特別監視地域」に指定され、事業者に運転手の労働条件に関する計画を提出させるなど、より厳しい審査が行われる。特定特別監視地域は、札幌、旭川、仙台、長野、富山、広島の6カ所が指定されていたが、国土交通省は08年7月11日、さらに東京、大阪を含め、対象地域を109カ所に拡大すると発表。背景には、09年の通常国会にタクシー規制を強化する改正道路運送法案の提出が予定されており、事業者が駆け込みで参入・増車する動きを事前に防ぐ狙いがあるとされる。