金融市場の混乱などによる通貨危機を未然に防ぐための備えとして、2国間において政府または中央銀行が、緊急時に互いの資金を融通し合えるようにしておく取り決めのこと。融通の限度枠や返済期限などについても併せて取り決めを行う。資金の融通は外貨(主としてドル)で行われ、資金を必要とする国が自国通貨を担保にして相手国から外貨を借り入れる仕組みであることから、スワップ(交換)と呼ばれる。また、通貨交換協定ともいう。この協定が結ばれていれば、自国通貨が暴落した際に外貨準備が十分な水準を割り込んでも、外国為替市場で自国通貨を買い支える為替介入のための資金が得られることになる。東アジア地域では、1997年のアジア通貨危機の反省から、2000年に開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)と日本、中国、韓国によるASEAN+3の蔵相会合において、通貨スワップ協定の締結推進を盛り込んだチェンマイ・イニシアチブが合意された。日本は韓国、中国、インドネシア、フィリピン、インドと協定を結んでいる。