ファニーメイは連邦住宅貸付抵当金庫のこと。1938年、政府金融機関として設立され、68年に民営化された。フレディマックは連邦住宅貸付抵当公社のこと。70年にファニーメイを補完するために設立された。いずれも、アメリカ国民の住宅の取得促進を目的に掲げ、債券発行による資金調達と民間金融機関の住宅ローン債権の買い取り、住宅ローン担保証券(RMBS)としての証券化、市場売却などを業務とする。両社ともニューヨーク証券取引所に上場する民間企業だが、政府の特別な関与があり政府の影響力が強い。そのため、GSE(Government Sponsored Enterprises 政府支援機関、政府支援企業)とよばれ、発行する債券はアメリカ国債に準じる信用力をもつ。また、両社の保有、あるいは保証するRMBSは、アメリカの住宅ローン総額の半分近くを占めるとされる。両社は、2007年のサブプライムローン問題に端を発した住宅市況の低迷で巨額の損失を被ったことから業績が悪化、08年7月には経営不安から株価が急落した。このため、金融危機を防止する目的で、08年7月13日に、政府はポールソン財務長官が緊急融資枠の設定や公的資金注入を含めた支援策を採る、との緊急声明を発表、FRB(連邦準備制度理事会)も、バーナンキ議長が公定歩合での貸出制度発動による資金繰り支援など、支援策を発表した。