国民ひとりが生まれてから死ぬまでに、政府に支払う税金や社会保険料などの負担総額と、政府から受け取る年金や医療、失業給付などの社会保障の受益総額を試算し、世代ごとに推計する手法。国民負担についての世代間格差をみるためのもので、財政学者のローレンス・コトリコフらによって提案された。負担総額から受益総額を差し引いた純負担額や、生涯所得に対する純負担の割合を表す生涯純負担率などが指標として使われる。2009年6月には、内閣府経済社会総合研究所から、世代会計を用いて世代ごとの負担と受益の関係を算出した、増島稔上席主任研究官ら3人連名の研究員論文が発表されて話題となった。現状の制度が継続する前提では、05年時点の価値評価で、0歳世代の純負担額は約3511万円、生涯純負担率は16.7%、30~60歳までの生涯負担率は8%前後、06年度以降生まれの将来世代の純負担額は1億円以上で、生涯純負担率は51.4%との試算が示された。