たき火で湯を沸かしながら、携帯電話の充電ができる鍋で、商品名は「発電鍋 ヒートチャージャーHC-5」。産業技術総合研究所の技術移転ベンチャー「TESニューエナジー」(大阪府池田市)が開発し、2011年6月9日に発表。同13日に発売された。価格は税込2万4150円。同社は廃熱を電気に変える熱電技術の企業。この発電鍋は、直径16センチの柄付き鍋の底に、縦横6.4センチ、厚さ0.5センチの発電装置(熱発電モジュール)を取り付けたもので、鍋に水を入れて火にかけると、発電装置の下面は約550度に熱せられるが、鍋の湯は100度以上にはならないので温度差が生じ、装置の中を電子が移動して、電圧に変換される仕組み。柄からはケーブルが伸び、USBソケットにつながっている。生じる電力は電圧5ボルトで最大出力2ワット。スマートフォンなら3~5時間でフル充電できるほか、ラジオや懐中電灯、携帯音楽プレーヤーなど、USB方式のものなら何にでも使える。また熱源も、まき、炭、ガスからがれきまで、高温になるものなら何でもよい。東日本大震災で携帯電話の充電が困難になったことを受け、商品化を急いだという。