親会社など特定の会社にだけ、労働者を派遣する行為。人件費を抑えるため、人材派遣の子会社を設立し、低賃金で正社員並みの仕事をさせる会社が増え、問題になっている。労働者派遣法では、1社であろうと複数の会社であろうと、特定の派遣先に限って派遣を行う専ら派遣を禁じている。専ら派遣が許されると、会社は便利な労働力の供給源として派遣会社を使い、正社員としての雇用機会が減ってしまうため。ただし派遣法には、派遣労働者の何割以上を1社のみに派遣すると専ら派遣になるのか、といった基準がなく、また、「営業努力はしているが、親会社としか契約できない」と言えば、派遣の実績がなくてもとがめられない、といった規制逃れが存在する。このため、派遣法を改正して基準を明確化し、規制を強化するよう求める声が高まっている。