2011年12月に大阪市長に就任した橋下徹前大阪府知事が発案した制度。橋下前知事は11月27日に行われた大阪市長選挙で、「大阪都構想」実現のために大阪府知事を辞職して出馬。現職の平松邦夫市長に勝利し、12月19日付で大阪市長に就任した。橋下市長は以前から、大阪市の区長は選挙で選ばれた公選区長ではなく、市長に任命された市の職員が区長を務める「公務員区長」であるため、住民のニーズをくみ取っていないと主張、大阪市役所体制の変革を訴えていた。市長就任会見ではさっそく大阪市の24区長を公募することを明言し、12月19日から12年1月11日まで応募を受け付けた。応募資格の条件は、(1)組織マネジメントの経験があり、(2)日本国籍を有する人とし、「地域や組織の課題解決や新たなビジョンの実現に取り組める」ことを求めた。公募による区長は、従来の区長よりも権限を強化し、局長よりも上のポジションで、市長に次ぐポストとなる。大阪市は1月20日、大阪市区長の応募状況を公表し、応募者数が1460人に上ったと発表。応募者は市外からが1075人で、区別では淀川区(110人)、北区(109人)、中央区(106人)の順で多く、東住吉区(28人)が最も少なかった。大阪市は当初、公募区長の任用時期を4月1日からとしていたが、応募者が予想を上回る数で、選考に時間がかかることから、変更せざるを得ない状況となったとしている。