2012年7月12日、内閣府に発足した宇宙政策の司令塔機能を担う新組織。宇宙開発や利用に関する基本政策の企画立案、各省庁間の調整などを手掛けるほか、“日本版GPS(全地球測位システム)”の構築に向けた準天頂衛星の整備や運用、宇宙産業の育成にも力を入れる。関係府省から集めた約30人のスタッフで構成され、新設の「宇宙審議官」も兼ねた同戦略室長には経済産業省出身の官僚が就任した。08年成立の宇宙基本法により内閣官房に設置された、全閣僚が参加する宇宙開発戦略本部の事務局業務も手掛ける。また、同戦略室の発足に合わせ、宇宙関連の重要な政策や予算配分の方針などを審議する有識者組織、宇宙政策委員会も内閣府に設置された。同委員会は、必要に応じて首相や関係閣僚に助言、勧告する権限を持ち、7月20日には宇宙飛行士の山崎直子さんら、計7人の委員が内定した。これに伴い、従来、宇宙の研究開発方針を議論してきた文部科学省の宇宙開発委員会は廃止となった。一連の組織変更により、関係省庁で立案される宇宙関連政策の重複の解消など、宇宙開発利用の効率的な推進が期待されている。