外務省が外交史料館で外交文書を公開すること。原則として、作成や取得から30年以上が経過したもの、または保存期間が満了したもののうち、歴史資料として重要な文書が該当する。外務省は、1976年以降、これらの文書を公開するという立場をとってきたが、あくまで自主的措置であったため、公開が進まなかった。そのため政府は、外交記録が国民共有の知的資源であると改めて位置づけ、公開の迅速化を目的として、2010年5月に「外交記録公開に関する規則」を制定し、外交記録公開推進委員会を設置。13年3月には、1971年の昭和天皇、皇后の初外遊に関する16冊と、主に第二次世界大戦の戦後処理に関する56冊が公開された。これらの文書では、終戦直後、占領軍兵士の皇室に対する挙動について、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に配慮を求める申し入れを行っていたことや、1952年のサンフランシスコ平和条約発効を機に、A級戦犯などの減刑や釈放を求めてアメリカ側に働きかけていたことが明らかになった。