SATは、警察庁の対テロ用「特殊急襲部隊」。1977年の日本赤軍による「ダッカ事件」を機に、警視庁と大阪府警に設置された部隊が原形で、96年には北海道、千葉、愛知、神奈川、福岡の各道県にも設置され、SATの名称になった。79年の三菱銀行北畠支店人質立てこもり事件(梅川事件)や、2000年の西鉄高速バス乗っ取り事件でも出動。05年には沖縄県にも設置された。07年5月17日に起きた愛知県長久手町の人質立てこもり事件では、SAT隊員の林一歩巡査部長(当時)が、容疑者に銃で撃たれ死亡した。SITは、「特殊捜査班」の略称で、警視庁捜査一課内にある、誘拐や人質事件などの専門部隊。1963年、吉展ちゃん誘拐殺人事件を機に設立。30人以上の捜査員が、犯人との交渉や強行突破などの訓練を受けている。SITは2007年4月20日に起きた東京都町田市の都営住宅発砲立てこもり事件で出動したが、犯人はSIT突入前に自ら頭を撃った。大阪府警にも同様のMAAT(Martial Arts Attack Team)がある。