日本郵政が所有・運営する保養宿泊施設。全国に約70施設あり、簡易生命保険の加入の有無に関係なく、一般の旅館やホテルと同じように誰でも利用できる。元は簡易保険加入者の福祉を増進するための施設だったが、郵政民営化に伴い2012年9月末までに譲渡または廃止することが法律で定められた。日本郵政は08年4月から譲渡先の公募を始め、同年12月に「かんぽの宿」70施設をオリックス子会社の「オリックス不動産」に約109億円で一括譲渡すると発表。これに対して鳩山邦夫総務相は09年1月、なぜ不況のこの時期に売るのか、なぜ個別でなく一括売却なのか、なぜ郵政民営化を推進した宮内義彦会長が率いるオリックス系企業に売るのかなどと、オリックスへの一括譲渡は納得できないと述べ、売却見直しを求める考えを示した。