女性皇族が結婚後も皇室にとどまり、宮家を創設すること。宮家とは、皇族の中で天皇から宮号を賜った一家のことで、男性皇族の結婚や独立などに伴い創設される。現行の皇室典範では、「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」(第12条)と規定しているが、これを改めて結婚後も皇族としてとどまり、皇室の活動を支えて頂こうというもの。天皇陛下は78歳というご高齢に加え、忙しい公務の合間を縫って東日本大震災の被災地や避難所への慰問を重ねたことなどもあって、入院や手術など、大きく体調を崩されるようになってきた。こうした陛下の負担を軽減するために、陛下に代わって公務や行事を担って頂くことを目的としている。現在の宮家は、秋篠宮(あきしののみや)家、常陸宮(ひたちのみや)家、三笠宮(みかさのみや)家とその御次男桂宮(かつらのみや)家、御三男高円宮(たかまどのみや)家の5家18人。このうち12人が女性で、未婚は7人。うち6人が成年を迎えている。この先、女性皇族が結婚により皇室を離れれば、皇室活動の担い手は大きく減ってしまうことになる。2011年11月25日、政府は緊急の課題として女性宮家の検討を表明。皇室典範改正を含めた議論を始めることとした。小泉純一郎内閣時代の05年にも、皇位継承問題に関連して女性宮家創設が議論されたが、翌06年、秋篠宮ご夫妻に長男悠仁(ひさひと)さまが生まれたこともあって立ち消えになっていた。今回は、皇位継承問題とは切り離し、対象範囲や配偶者と子供の身分などを中心に議論を重ね、およそ1年をかけて法制化へ進める予定。2月29日には有識者へのヒアリングが始まり、歴史学者の今谷明帝京大学特任教授とジャーナリストの田原総一朗を招いた。第2回は3月中下旬に実施する。