原子力発電所の再稼働にあたって、山田啓二京都府知事と嘉田由紀子滋賀県知事が2012年4月17日に政府へ提出した、「国民的理解のための原発政策への提言」のこと。提言内容は以下の7つ。(1)原発規制機関の設立など「中立性の確立」、(2)資料やデータ公開など「透明性の確保」、(3)免震事務棟や防潮堤の建設など「福島原発事故を踏まえた安全性の実現」、(4)事故調査が終わらない段階での再稼働について「緊急性の証明」、(5)脱原発依存に向けた工程表など「中長期的な見通しの提示」、(6)SPEEDI(スピーディ)の整備など「事故の場合の対応の確立」、(7)東京電力や国による「福島原発事故被害者の徹底救済と福井県に対する配慮について」。京都府と滋賀県は、関西電力大飯原発(福井県大飯郡)に隣接し、一部地域は防災対策を重点的に実施する必要がある30キロ圏内の「緊急時防護措置準備区域(UPZ)」に含まれている。両知事は、同原発において事故が発生した場合、原発立地県と同様に被害がおよぶとして、両府県を「被害地元」であると規定。原発再稼働をめぐっては、政治的な判断だけでなく、専門家による客観的な意見が必要であるとした。また、同月24日には、松井一郎大阪府知事と橋下徹大阪市長が、原発の安全基準見直しなどを求める8項目の提言を政府に提出した。