日本をアジアの「玄関口」(ゲートウェイ)にしようという安倍晋三首相の構想。安倍首相が、2006年9月29日の所信表明演説で明らかにしたもので、アジアなど海外の成長や活力を取り込むために、ヒト・モノ・カネ・文化・情報の流れにおいて、日本がアジアと世界の架け橋となることを目指す、としている。具体的な政策や課題については、安倍首相を議長とする「アジア・ゲートウェイ戦略会議」で議論され、07年5月16日に最終報告がまとめられた。報告書は、以下の10項目を「最重要項目」としている。(1)航空の自由化(アジア・オープンスカイ)に向けた航空政策の転換、(2)「貿易手続改革プログラム」の着実な実施、(3)アジア高度人材ネットワークのハブ(拠点)を目指した留学生政策の再構築、(4)世界に開かれた大学づくり、(5)アジアの利用者にとって最も魅力的な金融資本市場の構築、(6)グローバル化の中で成長する農業への変革、(7)アジア・ゲートウェイ構造改革特区(仮称)の創設、(8)「日本文化産業戦略」に基づく具体的な政策の推進、(9)日本の魅力の海外発信、(10)アジア共通課題に関する協力・研究の中核機能の強化。