地域の企業立地を促進するための国の金銭的支援制度。「企業立地補助金」の根拠となるのは「企業立地促進法」(正式名称は「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律」)で、地域産業の振興や雇用創出を促進することを目的として2007年4月に成立した。企業立地に際して補助金などの支援措置を受けるには、国が策定する基本方針に基づき、地方自治体(都道府県市町村)が基本計画を作成し、主務大臣の同意を得ることが必要で、同意が得られたら、事業者は企業立地計画や事業高度化計画を作成し、都道府県知事に申請して承認を得ることになる。野田佳彦首相は11年9月19日に東京都大田区の自動車部品関連の中小企業と、横浜市にある自動車工場を視察した後、円高による産業の空洞化を防ぐため、11年度第3次補正予算案で、企業への立地補助金をこれまでの1400億円から倍増させる考えを表明した。また、翌20日に経済情勢に関する検討会合が発表した「円高への総合的対応策」の中間報告では、「立地補助金の思い切った拡充」という文言が盛り込まれた。