国税庁を母体に、日本年金機構(旧社会保険庁)の保険料徴収業務を統合して、税金と社会保険料を一元化して徴収する新省庁のこと。2009年総選挙の際に民主党が挙げたマニフェスト(政権公約)の一つで、「社会保障と税の一体改革」の一環とされる消費税増税関連法案のなかで、歳入庁の創設が明記された。12年4月17日、同党のワーキングチームが発表した中間報告によれば、歳入庁設置の主な目的は、税金や社会保険料に関する窓口一元化などによる業務コストの削減や徴収率の向上、行財政改革の促進としている。そのためには国民一人ひとりに番号を割り振るマイナンバー(共通番号)制度の導入が不可欠として、マイナンバー制度が開始される15年1月に創設することが望ましいとしている。税金と保険料を1カ所で納付できるようにするため、将来的には国民健康保険料の徴収など地方自治体の業務も担い、社会保険料を「社会保険税」と名称変更することも検討する。しかし、発足からしばらくの間は、(1)現在の国税庁の業務、(2)年金保険料の徴収、(3)地方税・その他保険料などの未納分の徴収、を業務とする。また、財務省からの国税庁の分離に対する異論などもあることから、組織としては、(1)独立した組織、(2)財務省の外局、(3)内閣府の外局、(4)その他、の中から決定することを想定している。