不法入国した外国人を強制的に退去させること。入管難民法(正式名「出入国管理及び難民認定法」)に規定された退去強制のことをいう。入管難民法には、日本に入国できない外国人として、(1)有効な旅券を所持しない者、(2)入国審査官から上陸許可の証印を受けない者、などを挙げ、いずれかに該当する場合は退去を強制することができると明記している。同法違反の容疑で摘発された外国人は、法務省入国管理局に身柄を引き渡され、入国審査官による審査を受ける。収容令書によって収容できる期間は30日以内で、やむを得ない事由があると認められるときは、さらに30日を限度に延長される。2012年8月15日に香港の活動家らが沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島に上陸した事件では、沖縄県警が彼らを入管難民法違反の容疑で現行犯逮捕。同月17日に政府が関係閣僚会議を開き、逮捕した14人を送検などの刑事手続きを取らず、強制送還の行政処分とすることを確認して日本から退去させた。強制送還される外国人は、原則として、その者の国籍または市民権の属する国に送還される。