国外で日本人がテロ事件に巻き込まれた際に対応する、警察庁の特別捜査班。主な任務は派遣先での情報収集や鑑識、人質交渉などで、現地の治安機関と緊密に連携して国際的な捜査活動を行う。1996年に警察庁が設置した国際テロ緊急展開チーム(TRT ; terrorism response team)を発展的に改組し、支援要請に応じて、より広範囲の支援活動も行えるスペシャリスト集団として2004年に発足した。常設の組織ではなく、警察庁警備局国際テロリズム対策課の職員を中心に、鑑識や爆発物処理などの知識や技能、経験を有する都道府県警職員、民間の語学専門家などをメンバーに指定しておき、事件発生時に警察庁長官により派遣が決定される。04年9月にインドネシアのジャカルタで起きたオーストラリア大使館前爆弾テロ事件、同年10?11月のイラク日本人青年殺害事件で出動。13年1月、アルジェリア東部イナメナスの天然ガス関連施設で発生した、イスラム武装勢力によるアルジェリア人質事件でも、日本人犠牲者の身元確認などで重要な役割を担った。