政治家の育成などを目的に設立された塾。政党が主宰するものや、政治家個人が主宰するものなどがある。2012年には、橋下徹大阪市長が代表を務める大阪維新の会が「維新政治塾」の設立を発表したほか、愛知県の大村秀章知事が「東海大志塾」、名古屋市の河村たかし市長が「河村たかし政治塾」、滋賀県の嘉田由紀子知事が「未来政治塾」を、相次いで3~4月に開講することを決めた。橋下市長や大村知事、河村市長は次期衆議院選挙候補者の養成を目指す狙いもあるが、嘉田知事は女性や若者らの政治参加を促す場としたいとしている。政治塾が注目される背景には、09年8月の衆議院総選挙で、松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助が1979年に設立した「松下政経塾」の出身者が多数当選し、そのなかの一人が野田佳彦首相ということもある。すでに実績のある政治塾としては、民主党の小沢一郎元代表の「小沢一郎政治塾」があるほか、政治家の育成だけを目的としているのではないが、大前研一ビジネス・ブレークスルー大学院大学長が主宰する「一新塾」も多くの政治家を輩出していることで知られる。政党が主宰するものには、自由民主党の「中央政治大学院」や、みんなの党の「みんなの政治塾」があり、中央政治大学院は全国に展開する同党の地方政治学校(塾)と提携し、人材発掘や養成を行っている。