気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2007年に、「地球温暖化の原因は人間の排出した温室効果ガスである」と断じた。現在の人間社会は、石油などの化石燃料を燃やして得られるエネルギーに依存しており、その際に発生する、二酸化炭素に代表されるような温室効果ガスを減らすことが、温暖化防止の最も有効な対策となる。このような認識のもと、太陽光や風力を利用する自然エネルギーや、水素を使用する燃料電池といった新しいエネルギー源を開発し、同時に、効率を上げてエネルギー消費を抑える社会のしくみを作ろうとする動きを「二酸化炭素の排出量が少ない社会」として表現したものが「低炭素社会」である。07年版「環境・循環型社会白書」や08年の福田康夫首相の所信表明演説にも登場し、環境問題のキーワードの一つとして、重要になりつつある。