2012年11月16日に成立した衆議院選挙制度改革法で定められた小選挙区の定数是正策。09年8月の衆議院選挙で最大2.30倍となった「一票の格差」を、最高裁判所が「違憲状態」と判断したことを受けたもので、人口の少ない小選挙区数を5削減する一方で、人口の多い小選挙区数は増やさないことから「0増5減」と呼ばれる。削減されるのは、福井、山梨、徳島、高知、佐賀各県の小選挙区で、それぞれ現行の定数3から2に改正され、「一票の格差」は2倍未満に縮小される。これに伴い、小選挙区の選出議員は現行の300人から295人となり、衆議院議員の定数は現行の480人から475人になる。ただ、新たな小選挙区の区割り見直し作業は衆議院議員選挙区画定審議会が行い、周知期間を含めて数カ月が必要とされていることから、12年12月16日の衆議院選挙には適用されず、選挙は「違憲状態」と判断されたまま実施されることになった。このため、「一票の格差」を問う訴訟を起こしてきた弁護士らは、すでに選挙無効訴訟を起こす計画を明らかにしており、今後、最高裁判所がどう判断するかが注目されている。