施設の建設から運営まで、民間の資金とノウハウを利用した刑務所。初犯の受刑者が社会復帰するための矯正教育を行う施設であることから、社会復帰促進センターという。「民間にできることは民間に」という構造改革の方針に従い、公的施設の建設に民間資本を利用するPFI(private finance initiative)の手法で建設・運営し、管理は国の刑務官と民間のスタッフが協働して行う。2007年4月にオープンした美祢社会復帰促進センター(山口県美祢市)は、警備会社や介護サービス関連の民間業者の手による初めての施設である。ここには従来の刑務所に特有な、高い塀や鉄格子もなく、受刑者の位置情報は無線LANタグを使った位置情報把握システムによって、リアルタイムに把握できることが特徴となっている。「美祢」のほか、「島根あさひ」(島根県)、「喜連川」(栃木県大田原市・さくら市)、「播磨」(兵庫県加古川市)などの社会復帰促進センターも、PFIの手法による事業計画である。