市民が負担する税金を軽減すること。市民税には、個人に課税される個人市民税と、事務所または事業所のある法人に課税される法人市民税がある。一般に市民税は県民税とあわせて住民税と呼ばれ、前年1年間の所得などに応じて課税される。市民税が減額されるケースは、自治体によって異なるが、たとえば震災や火災などの被害を受けたり、病気などで税の納付が困難となったりした場合などがある。こうした減税措置とは別に、一律で減税しようという動きがある。なかでも注目されているのは名古屋市で、地域政党「減税日本」を率いる河村たかし前市長は「市民税10%減税の恒久化」を公約に掲げている。河村前市長は2009年4月の名古屋市長選挙で初当選し、1年限りではあるが市民税10%減税を実現。その後も継続して10%減税の恒久化案を提案したが、10年12月の市議会で正式に否定され、市民に「信を問う」と辞職。11年2月6日投開票の名古屋市長選に再出馬した。このほか、愛知県では半田市が10年度から市民税の10%減税を実施、大治町も11年度に限り同様の条例を可決した。また、東京都杉並区は予算の1割程度を毎年積み立て、運用益で10年後の区民税10%減税を目指す「減税基金条例」を10年3月12日に成立させている。