日本郵政や日本電信電話(NTT)、日本たばこ産業(JT)など、公共性が高い民営化企業などの発行済み株式のうち、政府が保有している株式のこと。成田国際空港や高速道路6社などの15銘柄で、2010年3月末の簿価は約21兆8000億円に達している。政府には、個別の法律によって、全株式の3分の1以上など各社の株式の保有義務が課されている。経営の安定が主目的で、たとえば、(1)ユニバーサルサービスという公共的な役割を果たしており、経営が特定の者に支配されたり株主権が乱用されたりすることを防ぐ(日本郵政、NTT)、(2)高速道路は国民の財産であり公共性が高い(東日本高速道路など高速道路6社)、(3)空港機能の維持など業務を適切に運営するため株主総会での議決権を持つことが必要(関西国際空港)、などを理由としている。東日本大震災の復興財源を巡り、東京メトロやJTの政府保有株式の売却案が浮上しているが、政府保有義務が課せられていることや市場への影響など、実現には困難な問題が存在している。