公務員に、本来の職務の級より上位の級に格付けて給与を支給すること。たとえば、級別職務分類表で5級以下に格付けられる職務に携わる職員に、6級相当の高い給与を支払うといったことなどをいう。公務員の給与は「級」と、勤続年数などで変わる「号」によって決まる。いわば「年功序列型」で、ある程度の年齢になると、上位の級に一律に昇格できる印象があるが、最近では職員の年齢構成が高くなり、一つの級で勤続年数が長い職員が増える傾向にあるという。そのため、級はそのままでも、給与面で厚遇したり、新たな役職を増やして上級に格付けしたりする自治体が増えている。かつて職員給与が民間に比べ低かった時代に、格差解消などを理由に導入されたケースもあったが、いずれにしても「わたり」は地方公務員法に定める職務給の原則に反するうえ、人件費の無駄遣いであり、早急に是正が求められている。なお、官僚OBが天下りを繰り返すことも「渡り」というが、こちらは「渡り鳥」に由来したもの。