領土を所有する権利。国家が領土内で他国の支配を受けずに権力を行使できる権能を領土主権という。また、国家の領域は領土、領海、領空に及ぶことから、領域主権あるいは領域権などと呼ばれる。領有権をめぐっては多くの国が近隣国との間で紛争の火種を抱えており、日本では北方領土、竹島(韓国名・独島)、尖閣諸島(中国名・釣魚島)などが緊張状態にある。2010年9月7日、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖の日本領海内で、中国の漁船が海上保安庁の巡視船と衝突して逃走するという事件が発生。海上保安庁は公務執行妨害の疑いで漁船の中国人船長を逮捕した。日本政府は「国内法に基づいて粛々と対応していく」と表明したが、中国側がこれに反発。中国政府は一方的に尖閣諸島の領有権を主張し、くり返し船長の即時釈放を要求。対抗措置として日中間の閣僚級以上の交流停止や、1000人規模の青年団訪中受け入れ延期を表明したほか、レアアース(希土類元素)の日本への輸出禁止措置をとるなどして、日本への外交圧力を強めてきた。結局、9月24日に那覇地検が船長を処分保留のまま釈放することを発表、船長は帰国した。