府県と政令指定都市の二重行政のむだを解消するために、東京都のような行政組織に再編しようという構想。「大阪都」構想は大阪府の橋下徹知事が、「中京都」構想は名古屋市の河村たかし市長が提唱している。「大阪都」構想は、(1)大阪市と堺市を人口30万人程度の11~12の特別区に再編、(2)現在24区ある大阪市を8~9区にし、各区に公選の首長と議会を設置するというもので、インフラ整備などの広域行政は新たに創設する「都」に一本化し、住民の生活サービスは基礎自治体に担わせるとしている。「中京都」構想は、愛知県と名古屋市を合体し、強力で唯一の司令塔をつくって重複行政を徹底排除するというもの。いずれも行政のトップは都知事1人になり、行政運営の効率化が図られるとしている。こうした構想の背景には、東京一極集中のなかで沈滞する地域を活性化するねらいがある。橋下知事と河村市長は、それぞれ自ら代表を務める地域政党「大阪維新の会」と「減税日本」を立ち上げており、2011年2月の愛知県知事選挙や4月の統一地方選挙などで、都構想実現のため連携することを明言しているが、大阪市の平松邦夫市長や東京都の石原慎太郎知事らは、これらの構想には強く反対している。