2012年5月25~26日に沖縄県名護市で開催された第6回日本・太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議(太平洋・島サミット)で採択された首脳宣言。太平洋・島サミットは、PIF諸国と日本が参加して3年に一度開かれる国際会議で、第1回は 1997年に東京で開催された。第6回会議には、日本、オーストラリア、ニュージーランドとPIFからはフィジーを除くクック諸島、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツとニウエの12カ国1地域の首脳や代表が出席、さらに、日本の呼びかけで初めてアメリカが参加した。宣言は、名指しは避けたものの、援助攻勢で一部PIF加盟国の対中債務残高が膨張している問題に懸念を示し、国際条約のルール順守を求めるなど、海洋進出を進める中国をけん制する内容が盛り込まれた。その骨子は、(1)日本の支援策として、今後3年間で最大5億ドル(約400億円)を援助する、(2)自然災害への対応として、アメリカなどと連携して太平洋災害早期警報システムを構築し、世界銀行と協力して自然災害リスク保険を導入する、(3)環境・気候変動への対応として再生可能エネルギーの導入促進に協力する、(4)持続可能な開発として、新興支援国の援助の透明性を高めることが重要と確認する、(5)人的交流として、PIF諸国の青年300人以上を日本に招待し、防衛当局間の交流を拡大する、(6)海洋問題として、海洋安全保障の協力を推進し、国連海洋法条約の重要性を確認する、などとなっている。