国家公務員制度を社会経済情勢の変化に対応したものとするため、新たに基本理念や基本方針を定めた法律。官僚主導から政治主導への仕組みをつくるのがねらい。当初、法案の目玉とされた、各府省の幹部人事を一元的に管理する「内閣人事庁」を新設する構想や、政治家と官僚の接触制限規定などに関して、与党と野党の意見が対立。2008年通常国会での成立は困難とされていたが、一転して5月27日に自由民主党、公明党、民主党の実務者による協議が開かれ、3党共同で政府案を修正、法案成立に向けて合意した。懸案の「内閣人事庁」構想は、内閣官房に「内閣人事局」を設置し、官房長官が人事原案を作成することに改め、政治家と官僚の接触制限については規定せず、その代わりに接触記録を作成して公開することとした。修正法案は5月29日に衆院本会議で可決、30日に参院本会議で審議入りし、6月6日に成立した。