司法の最高機関である最高裁判所の長。司法行政事務について討議する裁判官会議の議長を務めるなど、裁判所の事務・運営を指揮するほか、初めての憲法判断、違憲立法審査、判例の変更を行う際に、裁判官全員によって開かれる大法廷では、裁判長となる。内閣の指名に基づき、天皇が任命するが、現職の長官が後任を推薦するのが慣例となっている。他の最高裁判事14人と同様、就任後初めて行われる総選挙で国民審査を受け、適任かどうかの判断が国民投票によって下される。2008年10月31日、政府は11月21日に70歳の定年を迎える島田仁郎(にろう)長官の後任に、1944年生まれの竹崎博允(ひろのぶ)東京高等裁判所長官を指名することを閣議決定。同月下旬、第17代長官に任命される。最高裁判事以外から長官が選ばれるのは48年ぶりで、2009年5月にスタートする裁判員制度の導入に尽力してきたことによる抜てきと見られている。任期は定年を迎える14年7月までの約5年8カ月。