暴力団もしくは総会屋や社会運動を標ぼうする団体や右翼などが、行政機関や職員に対し、威圧的な言動や暴力を用いて、違法もしくは不当な金銭や行政の持つ権限の行使を要求したり、公務の執行を妨害する暴力行為。これまで暴力団の主な収入源であった賭博・ノミ行為、みかじめ料と称する用心棒代、覚せい剤などの密売に加えて、民事的なトラブルに介入する民事介入暴力、総会屋と結びついた企業対象暴力、企業にインネンをつけて金銭を要求する企業恐喝が、新たな活動として増加しつつある。とりわけ、これらに加えて行政対象暴力が増えてきており、全国の行政から警察に寄せられた暴力団関連の相談件数は、2006年では2391件に上る。07年4月17日に、選挙運動中の長崎市長を銃撃で死亡させた容疑者も、長崎市に対して行政対象暴力を執拗に繰り返していた暴力団の幹部であった。これらへの対策としては、安易な妥協を許さないなど、相手に付け込む隙を見せない用心深さが肝要である。それには、「暴力団を恐れない」「暴力団に金を出さない」「暴力団を利用しない」の、「暴力団追放三ない運動」の徹底が求められている。さらに警察では、各都道府県の暴力追放運動推進センター(暴追センター)、弁護士会等と連携して必要な支援を行っている。
2006年末現在の暴力団構成員数は約4万1500人、準構成員数は約4万3200人である。準構成員とは、暴力団構成員以外の暴力団の関係者で、その威力を借りて暴力行為を行ったり、暴力団と協力関係にあって、資金、武器等の提供を行ったりするものをいい、構成員が減少するのに対し、その数が増えつつある。