政府が推進する自殺対策の指針。日本の自殺者数が1998年に3万人を超え、その後も高い水準が続いていることから、2006年6月に自殺対策に関する基本理念などを定めた自殺対策基本法を制定。同法に基づいて07年6月に自殺総合対策大綱が策定された。大綱は、「社会的な取組により自殺は防ぐことができる」として、16年の自殺死亡率を05年より20%以上減少させることを目標に定めた。08年10月には自殺総合対策会議で自殺対策加速化プランを決定し、大綱の一部を改正。12年8月に全体的な見直しが行われ、同月28日に新たな自殺総合対策大綱が閣議決定された。新大綱は、副題に「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して」と明示し、当面の重点施策として、(1)自殺の実態を明らかにする、(2)国民一人ひとりの気づきと見守りを促す、(3)早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する、(4)心の健康づくりを進める、(5)適切な精神科医療を受けられるようにする、(6)社会的な取り組みで自殺を防ぐ、(7)自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐ、(8)遺された人への支援を充実する、(9)民間団体との連携を強化する、ことを掲げた。