地方分権改革に関する政府の基本方針を示したもの。2008年5月に地方分権改革推進委員会がまとめた第1次勧告を踏まえて、6月20日に決定した。要綱は、(1)国と地方の役割分担の基本、(2)地方分権のための制度・運営の改革の推進、(3)さらなる地方分権改革の推進、について明記。「重点行政分野の抜本的見直し」として、「くらしづくり」と「地域づくり」分野関係について、具体的な取り組みを示している。とくに要綱作成過程で焦点になった農地転用の許可権限や、国道や1級河川の管理・整備権限の移譲、福祉施設の設置基準などは、それぞれの所管官庁である農林水産省、国土交通省、厚生労働省の抵抗が強く、勧告に比べて表現が後退したといった指摘もある。今後、分権委は年内に第2次勧告、09年春に第3次勧告をまとめる予定で、政府はこれを受けて「地方分権改革推進計画」を作成し、09年度中に「新・地方分権一括法案」を国会に提出することになっている。