東京電力福島第一原子力発電所事故の原因究明と検証を行うため、国会に設置された委員会。2011年9月30日成立の「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法」に基づき、同年12月8日に民間委員10人が任命されて発足した。メンバーは、黒川清(医学博士、元日本学術会議会長)を委員長に、石橋克彦(地震学者、神戸大学名誉教授)、大島賢三(元国連大使)、崎山比早子(医学博士、元放射線医学総合研究所主任研究官)、櫻井正史(弁護士、元名古屋高等検察庁検事長)、田中耕一(ノーベル化学賞受賞者、島津製作所フェロー)、田中三彦(科学ジャーナリスト)、野村修也(弁護士、中央大学法科大学院教授)、蜂須賀禮子(福島県大熊町商工会長)、横山禎徳(元マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社長)の10人。原発事故の原因を究明する委員会には、同年5月に内閣官房に設置された「事故調査・検証委員会」(委員長=畑村洋太郎)があるが、野党側から政府による調査には限界があるなどといった指摘があり、衆参両議院が国政に関して調査を行う国政調査権を発動して証人喚問や資料提出を要求できる、独立した事故調査委員会を国会内に設置することになった。初会合は11年12月19日に福島市で開かれ、事故調査、被害調査、政策調査、政策提言の四つの作業部会を設けることを決めた。同委員会は12年6月をめどに、事故調査の結果や提言を記載した報告書を衆参両院議長に提出する。