検察官が容疑者を起訴するかどうかの処分を決めず、保留にすること。通常、容疑者を勾留できる期間は最長20日で、この期間中に起訴か不起訴かを決定する証拠が不十分な場合や、被害の程度が軽いと判断された場合などに適用され、容疑者の身柄は釈放される。その後も検察庁は任意での捜査を続け、新たな証拠が見つかった場合などには起訴されることもあるが、処分保留で釈放された場合は不起訴になることが多い。不起訴処分には、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」などのほかに「起訴猶予」がある。2010年9月7日に沖縄県石垣市の尖閣諸島沖の日本領海内で、海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、那覇地検は同月24日、公務執行妨害の疑いで逮捕、送検されていた漁船の中国人船長を処分保留で釈放することを決定。翌25日未明に船長は勾留期限を待たずに釈放された。この中国人船長逮捕から釈放までの日本側の対応について、「中国の圧力に屈した」という声も多く、菅直人政権への厳しい批判が相次いだ。