正式名称は東京地方検察庁特別捜査部。検察庁には、最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁の4種類があり、裁判所に対応して置かれている。地方検察庁は、各都道府県庁所在地と北海道の函館・旭川・釧路を加えた50カ所にある。そのうち東京・大阪・名古屋の各地検に特捜部が置かれ、政治家などによる汚職事件や、大型経済事件などを手がけている。東京地検特捜部は、これまでロッキード事件やリクルート事件をはじめ、東京佐川急便事件、金丸信元自由民主党副総裁の脱税事件、ゼネコン汚職事件、西武鉄道株事件、ライブドア事件、村上ファンド事件など、多くの事件を検挙摘発してきた。2009年3月24日には、準大手ゼネコン「西松建設」から民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」への政治資金規正法違反事件で、同会の会計責任者で小沢代表の公設第1秘書を同法違反の罪で起訴。総選挙直前というタイミングで、政権交代を目指す野党第1党の党首をターゲットにした点に関して、政治的に中立でないなどといった声も聞かれ、波紋を広げた。