地方自治体(都道府県市区町村)の長である首長と議会議員を、有権者がそれぞれ直接選挙で選ぶ制度。日本は国が、選挙された国会議員が首相を選ぶ議院内閣制を採用し、地方自治体が二元代表制を採用している。二元代表制の下では、首長と議会議員がともに住民を代表することになり、相互の抑制と均衡が期待されているが、意見が異なったときには、対立が激化することがある。二元代表制を採用する地方議会では、制度的に与党と野党が対立することはないが、首長を支持する会派とそうでない会派との間で、与野党のような関係が生じることがある。2011年2月6日に愛知県名古屋市で市議会解散の賛否を問う住民投票が実施され、2月20日には鹿児島県阿久根市でも同様の住民投票が行われたが、いずれも首長と議会の対立が背景にあった。大阪府でも橋下徹知事と議会との対立が先鋭化しており、地方自治体の首長と地方議会が対立する動きが全国各地に広がっている。総務省は、議会と長が対立した場合の解決手段が適切に行使されていないことを受け、現行制度とは異なるどのような組織形態があるかを検討し始めているが、まだ結論には至っていない。