菅直人首相が「国づくりの理念」として掲げるスローガン。首相は2011年1月の年頭所感で、11年を「平成の開国」元年にすると表明。1月24日に召集された通常国会の施政方針演説で具体的取り組みを示した。首相は国づくりの理念として、(1)平成の開国、(2)最小不幸社会の実現、(3)不条理をただす政治、の三つを掲げており、平成の開国を「明治の開国」「戦後の開国」に続く「第三の開国」と位置づけている。開国の具体化として、貿易・投資の自由化と人材交流の円滑化をうたい、包括的な経済連携を推進することを宣言。世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)交渉妥結による国際貿易ルールの強化に努める姿勢を示した。また、アジア太平洋地域の貿易自由化の枠組みづくりを目指す環太平洋経済連携協定(TPP)に関しては、11年6月をめどに、交渉参加について結論を出すと明言。1月29日には世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「開国と絆(きずな)」と題した講演を行い、ここでも「平成の開国」に言及し、TPP交渉参加の結論を6月に出すことを国際公約として表明した。