内閣が議会の信任によって決まる議院内閣制の国で、総選挙などの結果、どの政党も単独過半数の議席を確保できない状態のこと。「中ぶらりん議会」。第1党が単独で法案を通すことができないため、政党間の駆け引きが激しくなるなど、議会運営が難しくなる。ハング・パーラメントでは、少数与党が政権をとるか、複数政党による連立内閣が形成されるかのどちらかだが、いずれにせよ政権運営が不安定になる。二大政党制のお手本とされてきたイギリスでは、第二次世界大戦後、保守党か労働党による単独政権が、1974年のただ1回を除いて続いてきたが、2010年5月の下院選挙において、どちらも単独過半数の議席を獲得できず、36年ぶりにハング・パーラメントとなり、戦後初の連立政権発足となった。また、同年8月のオーストラリア総選挙でも、与野党ともに過半数を獲得できず、ハング・パーラメントとなった。