途上国の地球温暖化対策を資金や技術面で支援する構想。2009年9月22日にニューヨークで開かれた国連気候変動首脳会議(気候変動サミット)の開会式で鳩山由紀夫首相が演説し、自らこの構想を「鳩山イニシアチブ」と名付けて世界に発信した。演説は、まず温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減することを明言。次いで途上国も温室効果ガスの削減に努める必要があることを訴え、日本は「これまでと同等以上の資金的、技術的な支援を行う用意がある」と表明、以下の四つの原則を提唱した。(1)日本を含む先進国が、相当の新規で追加的な官民の資金で貢献する、(2)途上国がとくに支援資金で排出を削減した分については、測定、報告、検証が可能な国際ルールをつくる、(3)資金の透明性や実効性を確保しながら情報提供などができる国際システムを設ける、(4)技術の移転に伴う知的所有権を保護する枠組みをつくる。