都道府県が、自ら管理する河川に国庫の補助を受けて計画、設置する都道府県営ダムのこと。治水に特化した補助治水ダム、灌漑(かんがい)や発電など複数の目的を持つ補助多目的ダムがあり、国や水資源機構が事業主体となる直轄ダムに対して「補助ダム」と総称される。事業主体は都道府県だが、例えば一級河川に多目的ダムを設置する場合には、国土交通大臣の認可が必要などの定めがある。国庫からの補助率は原則として事業費の2分の1。2009年度に全国で計画中、建設中の補助ダムは38道府県の計87事業で、直轄ダムを含めた全ダム事業の約6割を占める。09年9月の就任後、「できるだけダムにたよらない治水」を掲げてダム事業の凍結方針を示した前原誠司国土交通大臣は、同年12月に、直轄ダムのほか補助ダムについても事業継続の検証を行うことを表明。10年度も継続予定のダム事業を「事業継続」「検証対象」に区分した。補助ダムは、本体工事着手済みの事業などを除く58事業が「検証対象」とされ、10年夏をめどに「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が示す新たな治水の基準をもとに改めて検証される。検証結果に事業廃止の強制力はないが、事業費の大幅な減額につながることから、知事などからは反発の声があがっている。