鳩山由紀夫首相が唱える政治理念。そもそもは祖父の鳩山一郎元首相が、オーストリアの政治学者クーデンホフ・カレルギー伯(汎ヨーロッパ運動主催者)の著作「自由と人生」に書かれた「友愛革命」に共感し、提唱したのが最初。「友愛」はフランス革命に掲げられた「自由・平等・博愛」の「博愛」と同義語と解釈される。鳩山首相はこれを継承し、1996年には新党結成の際に、基本理念として「友愛精神」を掲げるが、中曽根康弘元首相に、「政治というのは、愛とか友愛とか、そんな甘っちょろいものではない」と批判され、新党は「ソフトクリームみたいで、お天道様が出たら溶けて消えてしまうのではないか」と揶揄(やゆ)された。2008年には弟の鳩山邦夫衆議院議員らと人材育成のための「鳩山友愛塾」を設立。09年10月26日の所信表明演説で鳩山首相は、「友愛」について、「政治には弱い立場の人々、少数の人々の視点が尊重されなければならない。そのことだけは、私の友愛政治の原点として、ここに宣言させていただきます」と、「友愛政治」の実現に向けた決意を表明した。