「共通番号制度」とは、政府が導入を検討している「社会保障・税に関わる番号制度」のこと。国民一人ひとりに番号をつけ、年金や医療などの社会保障関連の情報と、所得や納税額などの個人情報を一元的に管理するシステムをいう。複数の政府機関に存在する個人情報を効率的に把握して、事務の効率化や国民負担の公平性の向上を図ることが狙い。情報化された社会には必要な制度といわれ、すでに諸外国には似たような制度もあるが、日本ではプライバシー侵害などへの懸念から実現していない。政府は2011年1月28日、「税と社会保障の共通番号制度」に関する実務検討会(座長:与謝野馨経済財政担当相)を開き、制度の基本方針を決定。基本方針では、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を活用した新たな「番号」を創設することや、利用開始までのスケジュールなどを示した。政府は今後、「番号制度創設推進本部」を新設し、11~12年度に全国47都道府県でシンポジウムを開き、広く国民に知らせていく。14年1月に個人情報を保護するための第三者機関を設置、同年6月には全国民に「番号」(ICカード)を配布し、15年1月より段階的に利用開始するとしている。