福田康夫首相が2007年10月1日の所信表明演説で訴えた理念。「自助努力を基本としながらも、お互いに尊重し合い、支え、助け合うことが必要」という考え。福田首相は、社会保障、地方分権、教育のほか、地球環境や貧困といった問題に対して、「自立と共生」を基本に政策を実行していくことを明言。同年9月に行われた自由民主党の総裁選挙でも、政権構想のキャッチフレーズに掲げたが、民主党の小沢一郎代表や鳩山由紀夫幹事長は、自分たちが以前から使っていた言葉であると指摘。実際、小沢氏が1993年に結成した新生党や、96年結党の旧民主党、98年結党の民主党の理念の一つが「自立と共生」。同じ言葉が政策の理念として用いられていることについて、福田首相は野党との対話重視を強調しており、参議院で多数を占める民主党への配慮とする見方がある一方、自民党と民主党の政策の違いを見えにくくしている、といった声もある。