これまで政府・行政が独占してきた公共領域を拡大し、市民やNPO(非営利組織)などが共に担う公共。「新しい公共」の定義は諸説あるが、鳩山由紀夫首相は2010年1月29日の施政方針演説で、市民やNPOが、教育や子育て、街づくり、介護や福祉など、身近な課題を解決するために活躍していることに触れ、こうした人々の力を「新しい公共」と呼ぶと言明している。また鳩山首相は、「新しい公共」実現に向け、NPOなどが活動しやすい環境整備のため、寄付税制の拡充などを検討すると表明。10年5月をめどに具体的な提言をまとめる方針を明らかにした。これを受け、「新しい公共」の考え方やその展望を市民、企業、行政などに広く浸透させるとともに、これからの日本社会の目指すべき方向性やそれを実現させる制度・政策の在り方などについて議論を行うことを目的として、「『新しい公共』円卓会議」が設置された。第1回円卓会議は10年2月5日に開催され、今後の進め方などが話し合われた。