もともと、官庁などが公務で打つ電報を公電と呼んだ。外交公電は、外務省本省と在外公館、在外公館同士などで交わす公電のことをいう。外交公電は、機密情報も多く、暗号化して送られる決まりになっている。公開を前提とした文書ではないため、外交官同士の情報交換や業務連絡など、内々の情報も含まれ、日々、大量に送られている。2010年11月、内部告発の民間ウェブサイト「ウィキリークス」が、アメリカの「秘密」指定約1万5000通を含む約25万通もの外交公電をネット上に公開した。内容は、北朝鮮のミサイル開発関連情報や、サウジアラビア国王によるイラン攻撃要求などの重要な機密情報から、各大使館による首脳に対する酷評まで、多岐にわたる。アメリカのみならず、主要国の外交関係に支障をきたしかねない多くの情報が、一般の人々の目にさらされることになった。