早期退職する国家公務員に、再就職先をあっせんする組織。2007年6月に成立した公務員制度改革関連法により、08年中に内閣府に設置される。各省庁が、関係業界の民間企業などに再就職の口利きを行う、いわゆる「天下り」の窓口を一元化し、透明化を図るもので、センターの設置後3年以内に、各省庁によるあっせんは禁止される。同法では、公務員OBによる現役職員への口利きなども制限され、不正には刑事罰が科される。天下りによって官民に癒着が生じ、官製談合につながっているとの批判を解消できるかが問われる。02~06年度の早期退職者(局長級以上)のうち、天下りでの再就職者は4割以上に上っている。2000年には、総務省が「国家公務員人材バンク」を開設したが、省庁のあっせんは禁止されなかったため、機能しなかった。天下りの背景として、幹部候補だけを残して、ほかのキャリア官僚を50歳前後から早期退職させる、中央省庁独特の人事慣例が指摘されているが、今回の公務員制度改革関連法には、慣例の廃止は盛り込まれなかった。